1週間だけのトト

わんこ
02 /11 2018
埼玉の小さな保護団体から白い女王様を貰い受けて、
大きな公園を往復する犬散歩を私が毎朝1時間半せっせと続けていたある日のこと、
その公園の管理事務所の近くに子犬が3匹棄てられていた。

3匹拾って帰るわけにも行かず
女王様のリードを握らないほうの手のひらに1匹だけ乗せて
とことこうちに帰ったのだった。

公園でボス犬の目を狙って飛び掛ったほどの凶暴きわまる女王様が
子犬には驚くほどに優しくて。
でも、そのころうちにはまだ犬庭がなくて、
2匹飼う度胸も寛容もなかったから
生まれて1ヶ月もしないこの小さな犬を誰かもらってくれないだろうかと
とうちゃんがコーチをしているスポーツ少年団のテニスチームの練習場所に
この子犬を売り込みに行った。

そしたら「犬ほしい」と思っていたけどご主人には「やめとけ」って言われて
飼うことができなかった奥様がいて
「だったら拾う!」と探していたって言うんだ、捨て犬を。
神様がとっくのとうに手を回していらしたことがよくわかる。

うちで1週間だけトトと名づけられていたその子犬は
テニスの練習のあとすぐに、その奥様のおうちにもらわれていった。

その子がね、昨日15歳で天国に行ったそうだ。
トトをもらってくれた優しい奥様のおうちは家族みんなが犬好きになって
その後トイプーなど計3匹もの愛犬家生活を賑やかに楽しく過ごされていたそうだ。

でもそのうち2匹はトトより早く死んでしまった。
つい3ヶ月前に1匹亡くしたばかりらしい。
そして最年長でとても長生きの15歳のトトが昨日。

とうちゃんからその話を伝え聞いたとき、
時が本当に過ぎ去っていく虚しさと寂しさを感じないわけにはいかなかった。
トトというのはオズの魔法使いに出てくる犬の名前からつけた。
もらわれていった先では別の名前になったけれど
うちではやっぱりトトのまんま、
女王様のおっぱいを探して、「やめなさいよ!」って唸られていた赤ちゃん犬。
女王様の大きな小屋の寝床の真ん中に眠り込んでしまって
女王様が困った顔をしていた、手のひらに乗るほどの小さな犬。

わずか1週間の思い出なのに忘れられない。
保護団体の里親さんたちはみんな、こんな感情を経験しながら
さらに犬への愛情を増幅させているに違いない。

この清らかな悲しみを味わえるのも、犬飼いの醍醐味なのだろう。
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お散歩 公園 落ち葉 ちょっとセンチメンタル

わんこ
11 /13 2017
土曜日、娘はいつものようにチビ犬を我が家に預けてから仕事に行った。
娘が来るものうれしいが
チビ犬のことを孫みたいに可愛がっているとうちゃんは
チビ犬を抱っこしてこたつに入ったり、
お気に入りのボールを投げたりして長々遊んでやり
お日様が出てきた9時を回ると、
もう我慢できずにチビ犬を公園に連れて行くと言い出した。

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チビ犬は娘夫婦と暮らすようになっても、
ちゃんと毎日朝夕お散歩には行っているのだけれど
それっていわゆる「オシッコ散歩」なわけなので
たとえ30分歩いたところで、犬にすれば日常なのよね。

遊ぶためのお散歩は走ったり飛んだり
日ごろすれ違うことのないほかの犬たちのオシッコの匂いをかいで
「あら若い男ね!」とか「同じ年くらいの女の子だわ」とか
「なんかセクシーな香りだわ」とか
「なんか強そうなタイプだわ」とか言う情報を
収集したりする、犬にすればたのしい楽しい時間なわけね。

この公園には野良猫が住み着いていてね
毎朝えさを持ってくる人たちもいるから
子猫もあわせて30匹くらいはいるんじゃないかと思う。
でも数ではもっと上回る犬たちが散歩にやってくる上
ノーリードどころか
「散歩行って来い」と飼い主同行でない犬たちもいるので
猫たちは常に群れて、公園の隅っこに大人しく過ごしているんだ。

去年死んだ黒オスはこの公園に
首輪なしでとことこ歩いていたところを見つけてつれて帰ったんだ。
どんなオスに言い寄られようとも常にけんか腰だった白い女王様が
黒オスにだけは「あらタイプだわ!」と近づいていったのもあったな。

黒オスが死んでから、小さな犬にしか触っていなくてさ、
お手のときにわかるしっかりした強い前足や、
立ち上がってより掛かってくるからだの重さが、
どうも恋しくて恋しくてね。

小さい犬は子供のように可愛くて、愛らしいんだけども
私の中での犬たる犬はやっぱり中型犬から上みたい。
小型犬は犬というより小さい子供に近い感じがするよ。

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チビ犬は結婚式前後の忙しさのなかで、
こんな風に遊び散歩をさせてもらえなかったのかもしれない。
とうちゃんと私が10メートルくらい離れて
チビ犬に「おいで」をすると、もうそれはうれしそうに
全速力で駆け寄って来るんだよ。
落ち葉をしゃかしゃか言わせて
何度も何度も。

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写真だと、落ち葉ってとても美しく見えるんだね。
いかにも晩秋。

犬を飼わなかったら、この公園に来ることなんか多分一度もなかったと思う。
この年になってとうちゃんと一緒に散歩することもなかったかもしれない。

冬もまたチビ犬連れて散歩に来られるといいな。

感動的な生き物

わんこ
08 /08 2017
なんかね~なんかね~、
犬が主人公になっている小説って、どうして必ず犬に過酷な状況が描かれるの?

最近いくつか犬が主人公の小説を読んだけどさ、
出てくる犬は人間のせいでかなり悲惨な状況を潜り抜ける必要に迫られるのよ!
必ずなのよ!
必ず、ひどい境遇に陥ったり、危険な状況になったり
死んじゃったり、残酷な殺され方をしたりするのよ!

ひどい目に遭わされてもなお
犬は人間のために尽くしたり、信じたり、誠実だったりするのよ、
究極の善良さを少しも損なわないのよぅ、もう、なんでなの~~~~~!!

あのね、犬にまつわる伝説らしいんだけどね、
アダムとイブがリンゴを食べて、エデンの園を追放されるときね、
神様はアダムとイブの夫婦と、そのほかの動物との間に大きな溝を作られたのだって。
溝はどんどん広がって大きくなっていって、
人間とそのほかの動物との間のすべての絆が切れかけそうになったとき
犬だけが走ってその溝を飛び越え、人間の側についたのだって。

この話、以前洋ドラで聞いたんだけどさ
先日読んだ小説のラストにもこれが出てきてさ
犬は神への「反逆」を試みたので、人間と同じように
この世界で苦しむ必要がある、みたいになっててさ、
なんと申しますか、半分納得して半分釈然としなかったよ。

犬の善性を直接知るにつけ、私なんかはつくづく感じるのよ、
こいつら、ただ飼い主が家に帰ってきただけで何でこんなに喜ぶんだろ、
なにがそんなに嬉しいんだろ、
少しもかまってやらない飼い主にさえ必死に尻尾を振るのはなんでだろう、
飼い主でいる限り、無条件に人を愛し、信じようとするこの子らは
いったいどういう生き物なんだろう、
このけなげさに気づかないまま、殺してしまう人間もいるのに
なんでこいつらこんなに善なんだろう・・・・

でね、上記の伝説と考え合わせて私が得た結論はね、
神様は犬が人を求め慕うように
人間が神を求め慕うことを望んだのではないか、ということなの。

たとえば、留守番していて飼い主の帰りが真夜中になってもさ
犬は帰りが遅い! って怒ることなんかしないで
帰って来た帰って来た!って、ただただ喜びでいっぱいになるでしょ?
空腹でもおしっこしたくても、ずっと我慢して
ただただ喜んでいるでしょ?

私ねぇ、犬のひたむきさや、究極の善良さを見ているとね
こんな風な人になれればなぁって思うのよ。
神様が与えた試練に対して憎みも呪いもせずに受け入れて
ただひたすらに信じて慕って、善である性質。
神様は人間にその尊さを教えるために、犬を傍に置かれたんじゃないのかなぁ。

アメリカの刑務所でさ、受刑者が野良犬を訓練して
すばらしい家庭犬にして希望者に譲渡するっていうのがあるでしょ、
まぁ、失敗した例もあるけど、
上手くいくと、受刑者の再犯がほぼなくなるっていうね。

あれはやっぱり、犬が無条件に人を信じて従う
その善性に、受刑者が心打たれる、学ばされ、教えられるからだと思う。
世の中に信用できるものなんか無いって腐ってた受刑者たちが
こんなにもピュアで信じるに足る命があるってことを知って
ある種衝撃を受けるんだと思うんだ。

えと、話を戻して、つ~ま~り~、私は
普通の犬が、優しかったりおっちょこちょいだったり、
時々怒ったりする人間たち家族の中で
普通に飼われて愛されて、笑ったり、しょげたりしながら
平和に歳をとっていくような、なんでもない小説があって欲しいわけよ。

極限状態に追い込まれる犬とか、そういうのかんべんして欲しいわけよ、
そういうのなしでも、犬は感動的な生き物だって私知っているんだもの。

ちび犬がエアコンにやられた

わんこ
07 /27 2017
リビングの円い座卓には座椅子がふたつあって
テレビにまっすぐ向いて座れる座椅子が、私の定位置になっている。
そこはテレビを見るのには特等席で
テレビの上にあるエアコンの風を真正面から受けるのにも
最高のポイントになっている。

冷たい空気は下に降りて行き暖かい空気は上にあがってゆくので
座椅子に座るとエアコンの設定温度以上に涼しいかもしれない。
たとえば設定温度を27度にしたら
座椅子に座ると25度くらいなのではないかしらん。

私はさらにその場所でエアコンの風をもろに受けていて
普通の人なら寒くなってしまうところを
「ああ気持ちいいな~」と喜んでいる。

暑いことに比べれば、エアコンの効きすぎくらい屁の河童の私だが
なんとうちにこのエアコンでやられたものが出た。
ちび犬がやられた。

犬が寒さでやられるなんてありか?
当然だけれどハスキー犬が混じっていた黒オスはエアコンが大好きだった。
白女王様は、ストーブがとにかくお好きだったがエアコンからは
多少距離を置いていた。
そういえばちび犬も白女王様以上に
昼間はエアコンから遠く離れた廊下や玄関にいて、
お前そんなところで暑くないのかい?
と、よく声をかけていたのだ。

おとといの夕方、ちび犬は急に元気を失い
動きが緩慢になり、食欲も落ちた。
天性と思われた陽気さや人懐っこさも見えない。

なんだ、なにがあったんだ。
ちび犬は今や我が家の末っ子のような存在なので
家族一同が心配で落ち着かなくなった。

ちび犬を案じる娘からのラインが一日中ポンポン来た。
食欲不振のちび犬のために
とうちゃんはちび犬が大好きなケンタッキーフライドチキンを買って帰った。

しかし、家族の思いもむなしくちび犬は相変わらず元気がない。
私は昨日の昼にはちび犬が弱っているのは体温が低くなっているからだと
漠然と感じ取っており、タオルケットにくるんでやったりしたのだが
なかなか元気になってくれなかった。

昨日は埼玉は最高気温が27度と涼しかったので、
私はちょっと頑張ってエアコンを一切点けずに過ごしてみた。
仕事帰りのとうちゃんも、いつもは暑い暑いとエアコンを24度にまで下げるくせに
ちび犬が寒がっていると伝えると、エアコンをあきらめてくれた。

寒いと言ったって、
真冬の布団を出したら熱中症になるんじゃないかと控えていたのだが
ちび犬が風呂場の扉のガラスにピタッと身を寄せているのを見て
もうこりゃあかんと
冬用の犬マット(古い敷き毛布で縫った起毛のふかふかマット)を登場させた。

ちび犬はそれを見つけると起毛のマットの上に身を横たえ
朝までほとんど動くことなく眠っていた。

今朝、とうちゃんと私はまだ眠たそうなちび犬の頭をちょっと撫でて
仕事に出てきてしまったのだが
7時過ぎに娘からラインが来た。

「ちび犬元気」
「ケンタくれくれされた」
「お散歩帰ってきたら猛烈に食べてる」
「これで仕事中に心配しないで済む」

ああよかった。
よかった、うん。
・・・・だが、明日から私はエアコンをどうしたらいい。
28度とか29度設定だったりしたら私じんわり汗かいて
脱水になって気持ち悪くなって・・・・・

いい。
犬のためなら頑張る。
扇風機と併用して、なんとか頑張りたい。
地球環境のためにも、絶対そのほうがいいんだから
これを機会に頑張るんだ。
えいくそ。

チビ犬と娘

わんこ
06 /20 2017
6月7日に左後ろ足のどこかを捻挫したらしいチビ犬ね
いまも頻繁に左後ろ足を使わずに歩くことがあるんだ。
朝など特にその傾向が強いので、
筋肉が眠って動かない間に固まっちゃっているのかな。

でも調子が良くなると走り回ったり、後ろ足で立ち上がったりする。
それでまた左後ろ足に負担をかけて3本足になる・・・・
うれしいと立ち上がったり走ったりするので、
可愛いけど困っちゃうんだよね。

チビ犬が家族中でいちばん好きなのは娘で、
娘も彼氏よりチビ犬を愛してやまない。
捻挫したチビ犬が心配でならない娘はその後5日間ほど
チビ犬の寝床の傍らに布団を敷いて眠っていた。

チビ犬は自分の寝床なんか放棄して
娘の布団にもぐって眠ったり、掛け布団の上に丸くなって眠っていた。
一緒の布団にチビ犬が眠っている娘の顔を見たとき
まるで小さかったころのようだなと思ったんだ。
何にも悩みが無くて、ただうれしそうで、幸せそうな
満ち足りた子供の顔に見えたの。
愛する犬と一緒に眠る効果って大変なものなんだねと実感したよ。

その娘だけど、結婚式まであと4ヶ月を切って
いろいろとやることが多くて、最近疲れ気味らしい。
この前の父の日には、彼氏とのデートを振って自宅でゴロゴロしていた。

休日に彼氏と会わないでさびしくないのかと尋ねたら
「さびしいより1人でのんびりしたい」と返ってきた。
一人っ子で育ったからか、自分の時間を持てない状況が続くと
娘は非常に窮屈に感じてしまうらしい。
デートを断られた彼氏は文句言わないのかと聞くと
「いじけてるけどいいの」とばっさり答えた。

なんでも彼氏は娘と一緒に眠りにつけるとき、
娘がチビ犬と一緒に眠るときのような、
愛する者が傍らにいる喜びと安心感で、
非常に幸福を覚えると言っていたことがあるとか。
娘はチビ犬と眠った経験から、
彼氏のその感覚を多少理解できたそうだが、それでも
「一人の時間がないとイヤ」なのだそうだ。

べったりタイプの男なのかしらん。
娘はどうもべったりとは違うかもしれないから、
大丈夫なのかね・・・なんてちょっと心配した。

ところがさ、娘が明日あさってと彼氏の家に泊まるから、
と昨晩言い出した。
あさって、しあさって、娘は研修会に出席することになっているのだが
その会場が彼氏の住む町から二駅の場所なのだそうだ。
は~ん、何気にあんた、最初からその予定で日曜を振ったわけね。
彼氏は大いに喜ぶことだろうさ。

心配して損した。
でもまぁ、チビ犬は娘が帰ってこない日はさびしがり
喜んで走り回ったり立ち上がったりすることも少なくて済み
捻挫の回復のためにもいいかもしれないから
まぁいいか。