犬の最大の欠点だけは我慢できない

わんこ
02 /03 2017
「犬は人に媚びててイヤ」
「犬は太鼓持ちみたいだから嫌い」
「人の顔色ばかり伺ってるから犬はいやらしい」

ネットでこういうことを書く人は
犬猫ならば猫が好きだという人たちが多いみたいな気がする。
なんでかね、
犬好きは猫に対して悪口を並べ立てて反論したりする人
あまり見たことないんだけれどね。
だって犬を愛する人たちは猫を悪くいう必要がないんだよ。
犬は大切な家族の一員だから
ほかの誰かと比較する理由がないんだもの。

それにさ、犬を愛してる人は、猫のこともそれほど嫌いじゃない場合が
少なくないしね。
猫って、確かに美しいもの。
曲線を描くうしろ姿の美しさなんか、私も見とれる。
娘の猫アレルギーさえなかったら、飼ったかもしれない。
犬も猫もいるって素敵だろうから。

昨日はちびわんこが1匹でお留守番をしていたんだ。
私が仕事に行くときは、
娘のほうが1時間ほどあとに出ることになるんだけれども
お留守番は寒いだろうからってリビングのエアコンを入れて
娘の愛用半てんを犬の大好きなこたつの周囲にわざわざ置いて
水も廊下からリビングに移動させて、
それから娘は行ってきますをしたんだそうだよ。

ちびわんの留守番時には娘は昼の休憩時間を使って様子を見に帰るのだけれども、
ちびわんこはいつものようにうれしそうに尻尾を振って出迎えたんだ。
で、娘は気がついた。
あったかくしてあるリビングの引き戸が閉めっぱなしにしてあったことに。
つまりちびわんこはあったかい部屋には入れないまま
玄関に続く冷たい廊下の板の上で丸くなって過ごしていたわけね。

娘は自分の失敗に衝撃を受けた。
だってさ、うちの廊下の温度計はさ昨日の昼で5度だったらしいんだよ。
(信じられないだろうけどこれ古い木造住宅のリアルです)

小型犬をはじめて飼って知ったのだけれど、
小さい犬はやっぱり寒さにも暑さにもかなり弱いんだ。
体力も毛の密度も全然違うからね。
黒オスわんこが存命中のお留守番なら何の心配も要らなかったんだ、
ちびわんこは寒い日には黒オスのハスキーもどきにぴったり寄り添っていたのだからさ。
(そういえば白い女王様も、寒い日には黒オスに寄り添って暖を取っていたなぁ)

暖かい部屋に入れず冷え切った板の間に、
水も飲めない状況で半日過ごしたにもかかわらず
ちびわんこは、ただただうれしそうに尻尾を振って
娘の十数分だけの帰宅を大歓迎してくれたそうだ。
怒ったり恨んだり不貞腐れたりすることは一切なくて、
ただただ「おかえり!おかえり!大好き大好き!」って喜んでる姿を見て
娘はついに泣いちゃったらしい。
泣いてちびわんこを抱きしめて、時間いっぱいべたべたしまくったそうだ。

・・・・これ、猫さんだったらどうなったんだろうかってふと思った。
少なくとも多少は怒るかすねるかするんじゃないかしら。
それが可愛いところでもあるだろうし。

犬は人間を信じきってる。
疑うことを知らない。
よほど酷い目に遭った子たちは人間に怯えるようにもなるけれど、
普通に飼われてきた犬ならば人間に信頼と愛情だけを寄せてくる。

犬を家族として飼うようになると、
その誠実さに人間は到底勝てるものじゃないと気がつく。
犬は媚びているのでも太鼓持ちなのでもない、
心底誠実で、主人への愛を表現する方法をそれ以外に知らないんだ。

犬は顔色を伺うという言葉を使う人はそれをどこで感じたんだろうね。
きちんとした飼い主のいない犬が必死で
「私のご主人になってください」と訴えかけていたのをそう受け取ったのか
あるいは
飼い主の顔をいつでも見ていたいほど飼い主が大好きな犬を見たのか
そのどちらか、かもしれないな。

犬はこの世の中でもっともヘンな動物なのだそうだよ。
すべての動物は仕込まれない限り人間を好きにはならないものだけど
犬は生まれながらに人間を求めるからね。

「平均的な犬は、平均的な人間より、良い」
これは真実だと、犬を飼うものたちは間違いなく感じているね、うん。
ただね、犬にも欠点はあるよ。
「犬は噛むから怖い」
「犬は吠えるから嫌い」
という人の意見は、犬を飼う人間も普通に納得できる、まぁそうだよね。
それに最大の欠点もある。

犬の一生は人より短い。

・・・・・これだけは我慢できない。



補記:
人間より長生きしたら犬が残されてそのほうがずっと哀れだという内容をいただきました。
ごもっともでございます。
私も同意見でございます。
「我慢できない」と書きましたのは
どう頑張りましても一般には犬が人間より長生き出来そうにはないので
愛犬が死んでしまったときの悲しみや寂しさなど、もう経験したくない、
という自己の気持ちを誇張した表現でございます。
下手な文章のゆえにお怒りを招いておりましたら
どうぞお許しください。
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妻より母よりわんこが大事

わんこ
11 /28 2016
大型犬に近い中型犬の黒わんこが天国のほうにスカウトされてもうすぐ3週間。
私たち家族にはいま、小型犬ミックスのちびわんこしかいない。
そのちびわんこが昨日、手術を受けた。

子犬のちびわんこがうちに来た3年半ほど前には
「なんだこのちびっ子」という態度で接していた黒オスが、
その半年後、少女から大人になりかけていたちびわんこに
猛烈にさかりはじめて、今にも犯しそうになっていたので

(サイズが違いすぎるし、犬にレイプはないんだけどね、
求愛を見てるとけっこう生々しいのよ
エロ爺がまだいたいけな少女を欲しがってるんだもの)

仕方なしにちびわんこの避妊手術に踏み切ったのだけれど
その結果、ちびわんこのおなかには
術後の筋肉の裂け目からと見られるヘルニアができてしまった。

そのヘルニアがこの数ヶ月大きく目立つほどになっていて
ある日突然ヘルニアが穿孔して、腸に穴が開いたり
ヘルニアかんとんになったりしたら
最後の1匹のこの子まで急死してしまうかも知れず
それが怖くて、先週病院に診せに行ったのだが
なんと手術が決まってしまった。

手術が決まり、手術当日までの10日間、
うちの家族のちびわんこに対する優しさったらもう
私が手術するときとは天と地くらいの差があった。

夫は「かわいそうでしゅね」「おなか切るんでしゅか」と
赤ちゃん言葉で繰り返し、ちびわんこをなでたり遊んだり
大好物のチーズを気前よく与えたりし、
手術の朝には「かわいそうでこの子の前で食べられない」と
食事を二階の自室にもって行ったくらいだ。
娘は手術の数日前から毎晩泣きながら神様に祈ったといい
ちびわんこがいなくなる夢まで見るほど心配したのだという。

・・・・・なんだかなぁ、私とはえらい違いだ。
そりゃちびわんこは5キロほどしかないが、医師は簡単な手術だと言った。
私はちびわんこの8倍も体重があったにせよ
医者がやりたくないと言うほど難しい手術だったんだが
娘はわたしのために泣きながら神様に祈ったりしないし
私の前で食べることを遠慮するような夫ではない。
(というか、私が全然食べられなくても作らせてたし、いまもそうだ)

などと、私がやきもちを焼いているのかというと、さにあらず
私はこんなふうにちびわんこのためにおろおろする家族が
とても素敵に思えたりする。

ちびわんこは、白女王様わんこが死んで、
感情から喜びが、顔から笑顔が、一切消えてしまっていた娘に
再び強い喜びと湧き上がる笑顔を、
有り余るほど取り戻してくれた犬だ。
ちびわんこは神様が娘に「もう悲しむのはやめなさい」と
与えてくれたのだと信じている。
だって、ちびわんこを飼うと決めた後知ったのだけれど
ちびわんこの誕生日が、娘と同じ日だったんだもの。

で、まぁとにかく今、
ちびわんこは大きな筒型包帯をほぼ全身に着せられて
私の横に転がっている。
簡単な手術だとはいっても、おなかをざっくり切って
持続麻酔もないのだから、痛いに決まっているよね。

きっと今夜も明日も、夫と娘が仕事から帰ってきての第一声は
「ちびわんこは?」
という安否の確認なのだろうな。

ちなみに私、気疲れで昨日嘔吐と下痢でダウンし
朝には2キロ減って、目も落ち窪んでいるが
私の体調に関しては誰も心配しなさそうだ。
それでいいけど。

犬と娘と

わんこ
11 /20 2016
うちから40分ほどで行ける東北自動車道上り線、
鬼平犯科帳をイメージして作られた羽生パーキングエリアに
ちょろっと1時間ほど遊びに行って帰ってきたら
家にはチビわんこも、娘もいなかった。

娘は午後から彼氏とデートだというから
「(黒わんこがいなくなって)寂しいチビわんも連れて行ってよ」
と言っておいたけど
まさか本当にチビわんこをつれてデートに行くとは思わなかった。

「家に戻ったから近くにいるなら連れて帰ってきていいよ」
と電話をかけたら、チビわんと娘は彼氏の家にいて
夜まで帰るつもりはないらしい。

だから家にはいま、夫と私しかいない。
夫は二階でビール片手にテレビを見ている。
私はいつものようにこたつに入り、
テレビで相撲中継をつけたまま、パソコンにこれを書いている。
ふと、こたつの中や、座椅子の上に、きなこ色の小さい犬の姿を探して
物足りなくて、切ない気持ちになる。

黒わんことさよならしてまもなく、
夫はもう新しく犬を飼うことは出来ない、と言った。
娘は遠くないうちに結婚し、大事なチビわんこを連れて、この家を出て行くだろう。
私は犬のいなくなったこの家に1人で昼を過ごすのか。
まばたきせずに私をじっと見つめて、尻尾を振ってくれる無邪気な存在が
いるのといないのでは、全然違う。
じわじわ湧いてくるうれしさが違う。
ほんわかするなごみ力が違う。
幸せ感が違う。
基本的にオキシトシンホルモンの分泌が全然違う!

夫の言葉は正しい。
夫も犬は嫌いではないけれど、
私は体がこんなだから、いつ入院するかわからない。
「犬なしでは生きられない」と言い切る娘がいなかったら
私たちふたりで犬をきちんと飼いきることは出来ない。

このごろ、犬の里親サイトばかりよく見ている。
でも、中途半端な状態で飼うのは犬にも人にもよくないんだ。

娘がいなくなったら、もっと寂しいのかな。
鬼平江戸処から娘に買って来た鯛焼きのパンケーキは
夜にはきっと固くなってしまうな。

黒わんこ恋しい白わんこのところへ逝く

わんこ
11 /11 2016
このブログを消去できない大きな理由は、
白わんこが倒れて死んでいくまでを記事にして残してあるからだ。
そしてまた、消せない記事を書くことになった。
黒オスわんこが死んだ。

日曜日の、娘にとっての大切な約束を成就させるために
黒オスわんこは、食べられなくなった胃袋を無理やり動かして
必死に食べてくれたのかもしれない。

私たち家族は、黒わんこが食べてくれたと喜んで
これまでのように彼が激しい咳をしながらも、うきうき喜んで散歩にも行き、
家族が自分の皿からお肉をやるときには
うんと背伸びをしてぱくりとやってくれるのだろうと、
おいしい! っと尻尾も振ってくれるようになるのだろうと、
思い込んでいた。

黒オスわんこは火曜日の朝もちゃんとご飯を食べ、
チビわんことともにお散歩にも出られた。
私と娘は安心しきって1時間半ほど買い物に行き、
わんこの好きな肉やおからも買い込んで帰ってきたら
黒オスわんこは死んでいた。

帰宅する数分前まで生きていたのか、まだ体は温かくやわらかかった。
心臓の発作がきたのか、苦しみから逃げるようにテーブルの下にもぐりこんで
その場で吐き、もがき、糞尿を出しながら息が止まったのだろう。
3日ほど食べてくれたから、硬くて立派なウンチだった。

糞尿を始末するために娘と私はズボンを脱いだ。
パンツ丸見えの格好のまま、娘は汚れた黒わんこを抱き寄せて泣き
私もパンツ丸見えのままテーブルの下の汚物をふき取って消毒した。

黒オスわんこはこたつの近くにいつも来たがっていたから
こたつの横に安置して、アイスパックをたくさん抱かせた。
体が次第に冷たくなっても、
ハスキーゆずりの毛だけがいつまでもぬくぬくと温かかった。

水曜日、木枯らしが吹いた日、黒オスわんこは煙になって
大好きだった白い女王わんこ様のところへ飛んでいった。
火葬窯に入れるときも、私は泣かなかったけれど、
窯のふたが閉じられ、ぼうっと点火された音を聞いたとたんに
堰を切ったように声をあげて泣いた。

15年も一緒に暮らしてきた黒わんこの
均整の取れた美しいからだの色や模様や
分厚い分厚いぬくぬくの毛並みが
あのしっかりした堅い体が、
燃やされ、この世から消えていくと思うとたまらなく悲しかった。

2013年の3月末に死んだ白メス女王様わんこは
脳をやられて以降、性質もすっかり変わり
自殺する様に断食して死んだけれど、
黒オスわんこはこの1年余りひどい咳に苦しみながらも
最期まで彼自身を失わずに、旅立った。

白メスわんこに尻に敷かれ、
チビわんこにさえ、吼えられていたけれど、
黒オスは本当は一番強くて立派な、寛大なオス犬だったのだと思う。

白メスとの散歩中に私が連れ帰った子。
自己主張の強かった白メスと
愛嬌で周囲を釘付けにするチビわんこの後ろに
いつの落ち着いて、マイペースで、悠々としていた黒オスわんこ。
もっと可愛がってやればよかった。
毛が分厚すぎて、洗うのも大仕事だった黒わんこ。
家中を365日毛だらけにしてくれた黒わんこ。

今朝も掃除機をかけたけれど、毛でいっぱいになるはずの掃除機のタンクは
少し埃を吸ってくれただけで、犬の毛なんかほとんどなかった。

さびしい。

ちびわんこはいま、愛を求めている

わんこ
10 /05 2015
ちび犬はトイプードルとペキニーズの雑種である。
体重5キロくらい。
愛玩犬ミックスだから愛玩犬然としている。

うちはこれまで中型犬以上の
和犬交じり(と思われる)の野良犬系を飼ってきたことしかなく、
一応室内飼育ではあるにせよ
犬たちは進入禁止区域以外は好き勝手に歩き回り、
好き勝手な場所で転がってくつろぎ、
人間が食事をしているとテーブルの下に来て伏せているくらいで
まぁ普通の共同生活を行ってきた。

ちび犬もそれと同じように私は
べたべたもせず、撫でまわしすぎることもなく生活してきたつもりだが
どうも何か、愛玩犬は、これまでの野良犬系とは
ちょっと違う気がしてきた。

愛玩犬にもきっといろいろあるのだろうが
うちのちび犬にはまず「自立心」がない。
(わがままとか自己中はあるぞ)

これまで飼ってきた元野良犬たちは
「犬の誠実を人なんかと比べちゃあいけねえぜ」というくらい
愛と誠をたっぷりと見せてくれてきたが
彼らには基本「自主を重んずる凛としたプライド」が存在した。

それがどうもちび犬には感じられない。
ちび犬に備わっているのは
「可愛がってくれないなら生きてられない」的な観念ではなかろうか。

これを「さびしがり」とか「甘えん坊」と言えばありがちだが
これまで飼ってきた犬には、ここまでの
人間に対する強い依存心を感じた覚えはない。
まるで2歳くらいの子供が家にいるみたいに
ちび犬は起きてさえいれば常に家族の後ろをとび跳ねながらついて歩き
人が座れば膝に飛び込んで来るという具合だ。

私はこの強スキンシップが苦手なので、何度か叱ったら
私にだけはこれをしなくなったが、
夫も娘もこのべたべた甘えがうれしくてたまらないらしく
二人ともちび犬に求められれば、とろけそうに応えている。

いちばん長い時間家にいるのは私だから
ちび犬は結局しじゅう人にべたべたは出来ないのだが
(それでもしかたなく私の近くにいる)
夜に夫と娘が帰れば、特に娘が相手となれば
ちび犬は猛烈に「大好きだから」とハートの旋風を巻き起こし、
娘も「そうかそうか」と一緒に転がって部屋中ハートの嵐になる。

で、このハート娘がここ2週間ほどやたらに家を空ける。
ちょっと仕事が立て込んでいて、連泊連泊が続いているのだが
これでちび犬はみるみるしょげかえり、元気がなくなってしまった。

可愛がってくれる夫もいるし、えさを与え散歩に連れて行く私がいても
ちび犬の心は少しも晴れない。
いつもふりふり元気に立っていた尻尾は下がり
顔つきは悲しげに、歯を見せて笑うこともしなくなり、
いつもうれしそうにぴょこぴょこ跳ねていた足でとぼとぼ歩く。
日がな一日玄関のあがりかまちに伏せて
娘が帰ってくるのを今か今かと待ち続けて
食も細くなった。

小さいだけに、体が心配になる。
もしかしてこの子はウサギと同じく、
「さびしいと死んでしまう」のではなかろうか、などと思えてきた。

うちのちび犬の性格が「あまりにも甘ったれ」なだけなのだろうか。
「愛してくれなきゃアタシ死ぬもん」って犬でもありなのか?
かんべんしてくれ。
とにかく娘、都合付けて帰ってくるべし。