晴れた日のいのち

いろいろ感じたこと
05 /23 2012
ああ、今日もしっかり働いたぞ、と思わず言いたい感じがする。

なにを働いたのかと言えば、
普段やっている家事の他には
母の施設から引きあげてきた冬の毛布と敷き毛布ほかの大量の洗濯と
グリーンカーテンのネット張りふた窓だけであるが

洗濯機を6回まわしつつ
激臭い犬の長座布団2枚を風呂場で踏み洗いし、
庭に梯子を出してのネット張りなので、妙に頑張った気がするのである。

銀行にも仕事にも母のところにも行かないで
近所に買い物のほかは家の中だけで済む家事は
自分のやりたい時にやりたいだけ出来るから
頑張って片付けたあとには気分がいい。

こんな日には会社の税理士から
「23年度の消費税の支払いがウン十万円」で
「今月中に支払っておくように」などという電話がかかってきても
なんとかなるだろうと思うことが出来る。

手形を現金化できるのは今月末だから
今はウン十万も税金を払ったら、社員のお給料がなくなるけれども、
そういう鬱陶しいことは、
こんないい天気には考えたりしない方がよいに決まっているから
スカーレット・オハラを決め込むことにして
ああいい天気だわねぇ
洗濯物がよく乾くわぁ、などとのんきに構えてせいせいしている。

で、先ほどその大量の洗濯ものを気持ちよく取り込んだのだが
毛布を取る際にふっと背伸びをしたら
ああ、見つけてしまった。

あしなが蜂の女王さんが、物干しの屋根の隅の方にせっせと巣を作っている。
ああ、なぜこんな人間の目につくところに巣をつくるのか
毎日上がる物干しに巣など作られては危なっかしくていかんではないか。

もしこれがもっと目立たないところであればよかった。
あしなが蜂は庭の緑の毛虫や幼虫をガンガン食べてくれるので
むしろ歓迎する。

2年ほど前には家族の気づかないままに、
車庫の天井にかなり大きくなるまで巣営されていて
「今年は幼虫が出ないわ~、いいわ~」なんて喜んでいたこともあった。

背黒あしなが蜂とかいう大きい蜂でわりと危険な種類だったのだが、
朝顔やツバキの幼虫食べ放題でつねに腹いっぱいだったのか
うちの人間は誰も襲われなかった。
このごろ蜂が多いな、とは思っていたが
巨大スズメバチもときどき現れるこのあたりにおいては
スズメバチでないならわりと平気なのである。

先ほど物干しで、かなり近くまで顔を近づけて観察しても
あしなが女王は攻撃してこなかった。
ネットで調べてみたのだが、以前うちに泊めてやっていた背黒ではなく
鮮やかな黄色だったので、黄あしなが蜂だと思う。
しかも巣は背黒よりも巨大化するそうだ。
申し訳ないが場所が悪いので、お気の毒と思いつつもアースジェットで吹き落した。
巣を調べてみたが、当然まだ卵も幼虫も入っていなかったので
指先でつぶした。

ああ、一瞬にして薬剤の竜巻で追われ
彼女が唾液と木くずで大事に大事に成形していた家が
巨大な生き物によってぐしゃっとつぶされた。

もしもこの蜂が人間だったら、これはかなりな悲劇だ。

先日、トム・ソーヤを書いたマーク・トゥエインの
「不思議な少年」と言う作品を何の予備知識もなしに読んだ。
(翻訳が中野好夫だったから読んだだけ)
舞い降りた美しい天使の少年は、子供たちの見ている前で
不思議な力で粘土から小さな人間を作りだし、
それら小さな人間たちは畑を作り、
町を作り、それはそれは美しい城、美しい小さな世界を作った。
もちろん子供たちは大喜びする。
だがちょっとしたことでそれら小さな人間たちが争い始めて、
ついに大きな戦争になった。
はらはらしながら見ている子供たちの前で
天使の少年は面倒くさくなったのか、それらの小さな世界を
ぐしゃっと破壊したのである。
小さな粘土でできた人間たちは泣き叫び、恐怖の声を上げ逃げまどうが
美しい天使の少年は面白がってそれらをひねり潰していく。
それを目の当たりにした子供たちは、ショックを受けて泣くが
天使には子供らの涙の理由もわからない。

女王蜂を追い落として、巣を潰したとき
私はきっとこの天使と同じだったろうなと
ふっと思った。

こんなにいい天気には、命の躍動を感じると同時に
命や運命のもろさを思ってみるのも、ちょっといい。

こちらは原作
 
これは上の作品をモチーフに生まれたらしい漫画

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