入院から一時退院まで

出来事から
08 /09 2016
ひと月ほど入院していた。

毎度のことながら思い通りにはなってくれない体だったが
数ヶ月前から妙な熱発が起きたり、痛みがひどくなったりしていたから
例月の外来で「ハイ入院」と命ぜられて
ちょっとほっとした。

手術だねと内科系医師たちは言ったが
肝心の消化器系外科の医師は、そう簡単ではないと、まず言った。

本に載ったりすることが嫌いなので、存在は世間に知られていないが
その道の熟練者であることは疑いようのない医師は
私の前で腕組みをしてうんうん20分あまり考え込んでいた。

すでに十回以上切った箇所をまた切るともなれば
相当な技術が要求されるのみならず
私の体自体がその侵襲に、術後耐えていかれるか
後の生活の質を下げることになりはしないかと、
医師は長い時間迷ってくれた。

手術をするか否かの選択を医師が私に委ねてきたので
こちらもずいぶん迷った。
たくさん迷った。

切ったところで私には完治ということはないから
いずれ再燃し、また切り取ることになる可能性は低くない。
いったいどこまで切り取れる?
体の中身は無限ではないのだ。

今の悪化をそのままに、内科的治療を徹底的に管理出来れば
長い期間をかけて確かにかなり落ち着きはするだろう。
だが、何かの拍子で増悪が起これば、同じ箇所が
また同じように悪化するという。

迷った挙句に、手術をすることに決めた。
数年先に悪化する体のことは、今は考えない。

難易度の高い大きな手術になるので、
このときとばかりに手術室が混雑している夏休み、盆の期間中には
手術室の確保が無理だった。
それで今月末に決まった。

間があくのでとりあえず一時退院してきた。
退院する前に中心静脈栄養のためのカテーテル手術を受けてきたが
これもまた何度もやってきた施術のため血管が詰まっていたり
細くなっていたりして
1000例はやった、という心臓血管系のベテラン医師でさえ
麻酔を限度まで使い、2時間半あまりかかっての難渋作業となった。
(若手の医師にティーチングしていた時間も含めてだが)

普通なら15分もあれば十分終わる施術にこれなら
本格的な手術のほうは、どれほど難しいことだろうかと、
「手術をすると決めた」と伝えた際も
ううむと考え込んでいた消化器系外科医を思い出して、
ああやっぱりと、申し訳ないような気がした。

入院生活は嫌いではない。
私と似たような病気の人たちが、悩んだり苦しんだりしていれば
私は大概その人たちのいい先輩になっている。
不思議だが
私の同病者たちは病気を得て長ければ長いほど
明るくたくましくなってくる。
(男性は知らないけどね)

私は今、24時間高カロリー輸液を自宅で行っていて
背中のリュックに1000ccもの輸液とポンプを背負いながら
家事や仕事をこなしている。
手術後もこれは、変わらないと言う話だ。

手術のことはまた術後に書けるかもしれない。

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主婦が病気になっても大切にされない

いろいろ感じたこと
08 /21 2016
手術のための再入院が、あと数日先に迫ってきた。
入院は一人で電車でいく。
ものは必要最低限しか持たないが、
高カロリー輸液の1キロを背負って、さらに入院荷物はちょっとくだびれそうだ。
だがこれはまぁいい。
手術当日には娘が休みを取ってきてくれるので、それもまぁいい。
だが、手術後の最初の日曜日にさえ
仕事があるから面会には行かないと、ダンナに早々に告知されてしまったのには
ちょっとむくれる。

私の入院にも手術にも慣れきっているうちの家族。
今現在の一時帰宅の間さえ、衣食住全般の家事が、当たり前に私の役目だった。
一応言葉では「無理しないで」とか言ってくれる娘も
日曜ごとにデートに行ってしまうし、先週は彼氏の家に泊まってた。
ダンナはちょっと残念そうに「また入院するのか・・・」などと言うが
それに続くのは「外食ばっかりでろくなもん食えなくなる」という
ダンナ自身の飯のための私の存在需要だったりする。

純粋に私を心配してくれる家族はいない。
小さいころの娘は私が入院するだけで、えんえん泣いてくれて
ああ、あの頃が懐かしいったら。
もう少し病身の私をいたわり、大切にする家族っていないものか?
いないな、うん。

これは、多くの主婦にも該当することなのだろう。
主婦の存在の必要は、失ってみないと認識できないものだ。
主婦の仕事はあまりに日常と密着していて、
カメレオンのように日常と同化して見えなくなり、
家族は意識しないうちに主婦の存在に甘えているのも気づかない。

主婦だってたまには甘えたいし、感謝もされたいのだが、
それを汲んでくれる理想的な家族に囲まれている人は希少だ。

私が大切にされるのは、
主婦が患者と言う名前に変化した、入院中だけなのかもしれない。
(それも家族に大切にされるのではなく医療従事者に)

今週中には、大切にされに行こう。