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あのね、昨日ある駅で見かけた1人の女の人の話。

可愛い花の刺繡の施されたカーディガンを羽織った背の高い女性だったの。
年は20代から行ってても30半ばまでだと思う。
寒そうな裸足の足首が見える丈のズボンをはいていて
カーディガンを含めてスニーカーまで全体に垢じみて薄汚れているの。

両手には100円ショップで買える一番大きい手提げ袋に
ぎゅう詰めの荷物つひとつづつ、
背中にもどこかで拾ったのかなというパンパンに膨れたリュックサック。
切符売り場ではビニール袋からお金を出していたけど、
小銭わずかしか入っていなさそうだった。

私は先に駅のホームに上っていたのだけど
彼女はあとから、とぼとぼうつむき加減に歩いて
ホームの先端にある障害者用トイレに入っていった。
障害者用トイレの引き戸はゆっくり閉まるので
彼女が大きな荷物を入り口あたりに並べて置いている姿が見えたよ。

電車はなかなか来なくてね、
彼女も15分過ぎてもトイレから出てこなかった。
着替えたり、体を洗ったりしているのかもしれないって思った。
風が強くてさ、ホームはかなり寒かったから
水で体を洗ったり髪を洗ったりするのは、厳しいだろうね。
それとも眠った?

若かったんだよ。
どうして、ああいう状況に陥ってしまったのだろうって
思わずにいられなかった。
持っている荷物は、ずっしり重そうだったから、あれが全部なんだろう。
となりに並んで切符を買ったけれど、
臭さなんて感じなかったから、こまめに体を洗っているのかもしれない。
若い女性ならそうするよね。
それでもどうしても全体に垢っぽく、髪もぼさぼさだったし
表情を見られまいとうつむいて歩いている姿からは
見ないでほしいと羞恥しているのが見て取れた。

あれはキツイなって、思った。
孤独なんだろうな、つらいだろうな、って
ホームにいたみんながそう感じたに違いない。
特に女の人たちはみんな彼女の姿を静かに目で追っていたもの。
ホームレスのおっさんに対する気持ちとはまた、別の感じが混じるんだ。
なんでなの?って。
そんなに若いのになんでなの?って。

話や漫画では見知っていたつもりだったけど
若い女性のああいう現実を目で見ると
今現在のこの国の闇は、やはり存在しているんだと
すうっと寒くなってくる。
なんでなの、なんでなの、そこから立ち上がる方法はないの?

家を失っちゃったのかな、どこかから、誰かから逃げているのかな、
早く落ち着けるように、
普通の若い女の人らしい暮らしができるようにと
祈らずにはいられなかった。

・・・・そして今回もまた、彼女にわずかなお金でもあげられる勇気が
出てこなかった・・・・

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